住宅ローンの抵当権抹消手続きを自分でする方法
こんにちは、FP主婦のもっちです。
我が家は約築20年の分譲マンションに暮らしています。
先日めでたく住宅ローンを完済いたしました。
住宅ローンを完済すると<抵当権抹消の登記申請>をしなくてはいけません。
手続きは司法書士に依頼することはできますが、調べると依頼料の相場が2万弱ぐらいで、司法書士が法務局に出向く交通費もかかったりといろいろと費用がかかります。
- 節約のために自分で何とかできないものか?
- いったいどんな手続きをするんだろう?
- 行ったことのない法務局に行ってみたい!
と自分の好奇心と家計の節約も兼ねて、司法書士に頼まず自力で抵当権抹消の手続きをしてみました。
今回は<抵当権抹消手続きを自分でする方法>をまとめてみましたのでご覧ください。
抵当権抹消手続きを自分でする方法:目次
- 抵当権の抹消とは何か?
- 住宅ローンを完済すると、銀行から書類一式が送られてくる
- 抵当権抹消手続きの流れを確認する
- 抵当権抹消手続きは電子申請でできるが・・・
- 抵当権抹消手続きと登記完了書類の受領は郵送でもできる
- 法務局の事前相談や自治体の司法書士の相談会を活用する
- まとめ
- 抵当権抹消登記の参考書籍
抵当権の抹消とは何か?
住宅ローンを組むと、担保としてローン物件の抵当権が設定され、そこに銀行名が記載されます。
簡単に言うと「ローンを返せなくなったら、銀行でお金の代わりに不動産を頂きます」という感じです。
住宅ローンを組んだときの登記簿謄本の写しを見ると、<権利部の乙区>という項目に抵当権が設定されており、そこに銀行名が書かれていることが分かると思います。
抵当権抹消手続きとは、その名の通り「この物件には銀行の抵当権はもうなくなりましたよ」と法務局に届けを出して、土地建物の登記簿から銀行の抵当権を消してもらうことを指します。
住宅ローンを完済すると、銀行から書類一式が送られてくる
住宅ローンを完済すると、借りていた銀行から書類一式が送られてきました。
重要書類ですので書留です。
中に入っていた書類は、
-
抵当権設定契約証書
-
登記識別情報通知
-
弁済証書
-
委任状
の四通です。
1の<抵当権設定契約証書>は住宅ローンを契約した時の証書です。
2の<登記識別情報通知>は12桁のマスキングされた登記識別情報(パスワード)が記載されており、今まで抵当権を設定していた銀行が登記名義人として記載されています。抵当権設定時に法務局が発行したものです。
3の<弁済証書>は住宅ローン完済日に抵当権が消滅した旨が記述されており、銀行が発行しています。
4の<委任状>は銀行が発行したもので、「代理人に登記識別情報の一切の権限を委任します」と書かれています。代理人名は空欄になっています。
この中で法務局に添付書類として提出するのは2,3,4の書類になります。
抵当権抹消手続きの流れを確認する
法務局のホームページ
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/index.html
を参照すると、手順が書かれています。
法務局のトップページの左側のリンク一覧にある<不動産登記申請手続>をクリックすると、中央右側に<住宅ローンを完済した方>とあるのでそちらをクリックします。
住宅ローン等を完済した方へ(抵当権の登記抹消手続きのご案内)
<戸建て編>と<マンション編>とあるので、該当のものをクリックします。
我が家はマンションなので、マンション編を参考に書類を作成しました。
抵当権抹消手続きのざっくりした流れはというと、
1.必要な書類を準備する
2.登記申請書を作成する
3.登録免許税分の収入印紙を貼り、書類を整える
4.法務局に書類を提出する
5.登記申請完了予定日以降に再来局して登記完了証をもらう
になります。
1.必要書類を準備する
抵当権抹消手続きに必要な書類一覧は以下になります。
①登記申請書
法務局からフォーマットをダウンロードして自分で作成。
作り方は次項に記述します。
②登記識別情報通知
銀行から送られて来た書類。
③弁済証書
銀行から送られて来た書類です。タイトルが解除証書の場合もあります。
日付や不動産の表示もれがないか確認します。漏れがある場合は銀行へ問い合わせます。
※会社法人等番号の確認
銀行の法人番号です。③の弁済証書に書いてあることを確認します。
④委任状
銀行から送られてきた書類です。代理人の欄が空欄になっています。今回は夫の書類を私(妻)が提出するだけでしたので、夫の住所と名前を記入するだけで大丈夫でした。受付の人に確認してから記入しました。
2.登記申請書を作成する
登記申請書は自分で作成します。
書式は法務局のホームページにあるのでダウンロードします。
リンクをたどるとかなり下の方に<15)抵当権抹消登記申請書>とあるので該当の書式をダウンロードします。
マンションの場合は<抵当権抹消(敷地権付き区分建物)の場合>の書式から選びます。
内容の記載例は法務局のホームページ記載されているので、こちらを参考にしながら記述していきます。
住宅ローン等を完済した方へ(抵当権の登記の抹消手続のご案内):法務局
※登記申請書作成のポイント
自分で作ってみて戸惑った点と対処法を記載します。
- 借りている銀行の所在地や代表者が途中で変更になった場合
→最新の情報を記入する - 申請する法務局はどこか?
→物件所在地の管轄の法務局。法務局のホームページを見て自分で調べる - 不動産番号はどこに書いてあるか
→銀行から送られてきた<登記識別情報通知>を見る - 不動産の表示は何を参照すればよいか
マンション購入時の登記済み権利証の中に当時の登記申請書がありそちらで確認。
以前住宅ローンの借り換えを行った際の、<登記事項証明書>があったのでそちらでも確認した。 - 登録免許税はいくら?
抵当権抹消の登録免許税は不動産1つに付き1000円のため、土地と建物で2000円でした(2023年1月末現在)。
分筆されているマンションの土地だとそれごとにかかるため注意が必要です。迷ったら法務局に事前相談がオススメです。
3.登録免許税分の収入印紙を貼り、書類を整える
- A4の白紙の用紙に登録免許税分の収入印紙を貼ります。
- 法務局に収入印紙も売っているので、提出するときに貼ればOKです。
- このとき印紙に割り印は絶対に押さないで下さい。
- 登記申請書をA4のコピー用紙に片面印刷し、一番後ろのページに収入印紙を貼ったページをセットしてホチキス止めします。
すべて法務局のホームページに書いてあるので確認しながら作ってください。 - 申請人兼義務者代理人(住宅ローンを契約していた人、我が家の場合夫の名前)の右に押印し、各ページの見開きに割り印を押します。
この印鑑は、抵当権抹消手続きが終わった時に、取りに行く際にも必要になります。
4.法務局に持っていくもの
書類がそろったら管轄の法務局に書類を提出します。
抵当権抹消手続きに持っていくものは
□登記申請書
□登記識別情報通知
□弁済証書
□委任状
□印鑑(登記申請書に押したもの)
□登録免許税分の現金(登記申請書につける収入印紙分)
□ホチキスと筆記用具と予備のA4コピー用紙
になります。
私の場合、提出時に法務局で収入印紙を購入し、A4のコピー用紙に貼って現地で書類のホチキス止めをしたので上記になりました。
念のため夫と自分のマイナンバーカードを持参しましたが、受付時に本人確認は求められませんでした。
受付の方はざっと内容をチェックしてくれました。
受付が終わると<登記完了予定日のお知らせ>が発行されました。約2週間後の日付が書いてあり、不備があればこの日までに連絡するとのことでした。
何もなければ完了予定日以降にこの用紙と<登記申請書に押した印鑑>を持参してくださいとのこと。
5.登記完了証を受け取る
不備がなければ連絡が来ませんので、予定日以降に
<登記完了予定日のお知らせ>と<登記申請書に押した印鑑>を持参し法務局に行きます。
印鑑照合が無事終わると〈登記完了証〉を受領して終わりです。
同じものが二枚発行され、住宅ローンの借り入れた銀行から提出を求められていれば送るそうです。
何も指示がない場合は二枚とも手元に置いて大丈夫とのことでした。
抵当権抹消手続きは電子申請でできるが・・・
今回の抵当権抹消手続きは電子申請でもできるそうです。
だた行うのにはパソコンに税務署のソフトをインストールし、ICカードリーダー/ライタと電子証明書登録済みマイナンバーカードが必要になります。
スマホ単体での申告はできないようでしたので今回は行いませんでした。
調べていく中でandroidのスマホをBluetoothでノートパソコンにつないで申告されている方もいらっしゃいましたが、うちはiphoneだったのと設定に手間がかかりそうだったのでやめました。
確定申告のようにスマホ一台で申告ができるようになると便利だと思います。
抵当権抹消手続きと登記完了書類の受領は郵送でもできる
今回は直接法務局の窓口に持参しましたが、直接出向かなくとも郵送でのやり取りは可能です。
郵送物の中に返信用封筒を入れ宛名を書いて書留分の切手を貼ればよいとのこと。
重要書類ですので提出書類は書留で送るのが良いと思います。
また、窓口に申請する際に、返信用封筒と切手を準備すれば、登記完了書類の受領は郵送でも可能です。
法務局の事前相談や自治体の司法書士の相談会を活用する
法務局の事前相談
法務局では予約すれば事前相談が可能です。
書類の書き方など不明点があれば確認することもできます。
ただ、我が家の管轄の法務局はコロナ対策のため対面相談は行っておらず、予約をとった日時に折り返し法務局から電話が来ます。対面ではなく電話での事前相談になっていました。
結局私は事前相談はせず、自分で法務局のホームページを見て書類を準備しました。
自治体の司法書士相談会
お住まいの市町村などの自治体では、広報誌やホームページで司法書士の無料相談会が開かれていることがあります。
事前予約を行い、不明点などを相談することも可能かと思います。
また、自分で抵当権抹消をする時間がなく、とりあえずどこに相談したら良いか分からない方は自治体の相談を活用するのも一つの案です。
Wローンや複数のローンを組んでいたり、土地の分筆や権利が複雑だったりする方は、自分でやるよりは司法書士に頼んでしまった方が時間と手間がかからず楽だと思います。
まとめ
今回、住宅ローンの抵当権抹消手続きを自分で行ったことで2万円ほどの節約になりました。
自分で登記申請書を作成していく中で、土地の権利や申請に関する事務の流れを知ることができたのは良い経験になったと思います。
時間と手間はかかりますが、知識と節約はゲットできます。
みなさんも抵当権抹消手続きを自分でぜひトライしてみてください。
抵当権抹消登記の参考書籍
自分で抵当権抹消を行う際の参考書籍はこちらです。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
written by FP主婦もっち
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